路線・車両基地の整備
軌道の敷設、停留場や車両の整備・運行管理を行う車両基地等を整備
LRT路線の整備
「三方原本線」を最優先で整備し、次いで「中田島線」を整備して南北幹線軸を構築する計画です。続いて「市内循環線」を整備し、2040年頃までに全路線の実現をめざしています。
車両基地・車両待機場
LRTには車両の運行管理・点検・整備・洗車などを行うための車両基地が必要となります。また、始発便を効率よく送り出すための車両待機場も必要となります。車両基地は最初に整備する「三方原本線」沿線に設け、車両待機場は浜松城公園駐車場と明神池運動公園周辺に設ける構想です。
LRTの動力源
当フォーラムがLRT導入推進活動を開始した2002年当時の提案は、「燃料電池式LRT」でした。国内で研究開発が始まっており間に合うと考えていましたが、残念ながら国産の燃料電池式LRTは実現していません。いずれは国産の燃料電池式LRTが実現すると思いますが、次善の策として、キャパシタ充電による架線レスLRTを想定しています。
LRT車両製作
最初に導入を計画している三方原本線には、予備を含めて22編成の導入を想定しています。LRT車両製作については宇都宮市の場合、基本仕様の検討からデザインの検討・決定、車両設計認可等の手続きを経て、製作・納入されるまでに概ね5年を要しています。LRT新線を計画している都市には貴重な情報となります。
トランジットセンター
LRTと路線バスはトランジットセンターで乗り継ぐことになります。LRTとバスのダイヤは連動しますので、待ち時間のストレスを感じることはありません。また、バスの運賃は政策的に引き下げ、さらに乗り継ぎ割引運賃制により、経済的で利用しやすくなります。
バス停(左)とLRT停留場(右)
浜松城公園トランジットセンター
「三方原本線」には4~5ヵ所のトランジットセンターを整備する構想です。下図は浜松城公園駐車場と赤松坂への設置案です。浜松城公園は始発便の待機場になり、「浜松まつり」の際には、このトランジットセンターから以北を運行することになります。LRTの軌道は溝形レールの採用で溝巾がせまく、路面と平らなため御殿屋台の引き回しの支障にはなりません。
トランジットセンター・イメージ図(浜松城公園駐車場)
トランジットセンター・イメージ図(赤松坂)
トランジットセンター周辺の整備
LRT沿線は利便性や快適性が高まり、いつでも自由に移動できるようになります。中でもトランジットセンターは人流が活発になるため、商業圏としての期待が高まります。スーパーマーケットやレストランなどの商業施設をはじめ、郵便局や保育園、高齢者施設などを併設し、地域生活拠点としての魅力を高めていくことができます。
LRT停留場の整備
三方原本線には、27ヵ所の停留場を設ける構想となっています。停留場は広告塔としての価値が高いため、広告媒体事業者自らがすべてのリスクを負い、停留場を整備し、広告収入で維持管理していくケースが増えています。浜松のバス停にも採用されています。LRT整備事業費を抑えるうえから、また設置後の維持管理の負担をなくすうえから対応が必要です。
ネーミングライツ
停留場の名称は、下車する場所を判断するうえで重要な情報です。有名な企業は目標物となるため、命名権を公募・販売して収益をあげることができます。停留場が設置されている間(半恒久的)という条件で契約するケースが多いようです。
ロケーションシステム
停留場には時刻表や路線図、沿線周辺の案内図のほか、乗車券購入方法や乗降の仕方、行き先の名称、到着時間や事故による遅延情報などを電光掲示板で案内するロケーションシステムが整備されます。