脱炭素社会への転換
SDGsがめざす脱炭素社会に対応。LRTは車依存社会脱却の切り札!
2010年、当フォーラムは浜松市にLRTを基幹交通とする『浜松型次世代交通システム』の提案と早期実現を要望してきました。市議会でも再三、質問が行われていますが、「採算性に問題がある」として、10年以上にわたり解決が先送りされています。公共交通は独立採算で考えるものではなく、大きな視野で市民のためになるかを考える時代です。世界が脱炭素社会に向けて大きく舵を切った今、LRTは夢でも理想でもなく、政治が決断すべき重要な段階を迎えています。
SDGsへの対応
2015年、国連サミットはSDGs(エスディジーズ:持続可能な開発目標)を採択し、2030年までに達成すべき17の国際目標を掲げました。その11番目と13番目に「気候変動に具体的な対策を」と、「住み続けられるまちづくり」をあげています。世界が本気で地球温暖化防止に取り組む決意を示したことで、未来が大きく変わろうとしています。
17の開発目標を定めたSDGs
崩壊する巨大氷山(北極)
カーボンニュートラル
日本政府は2050年までに温室効果ガスの排出ゼロをめざす「2050年カーボンニュートラル」を宣言しました(2020年10月)。運輸部門は全CO2排出量の18.6%を占め、自家用乗用車がその内の45.9%を占めています。世界ではEV車(電気自動車)への転換が急速に進み、マイカーがなくても移動に困らない社会へと変革が進んでいます。
部門別CO2排出量(出典:環境省)
運輸部門におけるCO2排出量(環境省)
脱炭素社会への対応
車依存社会からの脱却
EV車はCO2を出しませんが、充電する際には電力が必要です。東日本大震災で原子力発電所が停止し、化石燃料による火力発電が8割を超えているため、EV車化が進むほど発電所側では大量のCO2を排出することになります。マイカーは車両重量が1トン以上あり、移動するには多くのエネルギーを使うため、公共交通ネットワークを整備して、マイカーから公共交通への利用転換が必要です。
一次エネルギーの供給構成
(出典:資源エネルギー庁)
公共交通利用への転換
車は便利で快適な乗物ですが、1人を1km運ぶ時に出すCO2は運輸部門中最大です。2050年カーボンニュートラルを達成するには、CO2排出量の少ない鉄道・LRT・バス等公共交通の利用を促進し、車依存社会からの脱却が必要です。
運輸部門におけるCO2排出量
(一人を1km運ぶときに排出するCO2)
カーボンニュートラル達成目標
マイカーから公共交通への利用転換を図るには、長期的な戦略が必要です。そこで、新たな交通モードとしてLRTを導入し、第一次目標として公共交通分担率(市民が公共交通を利用する割合)を倍増、第2次目標として政令指定都市並みの20%、第3次目標として2050年までに車が無くても移動に困らない社会の実現をめざしています。