モビリティ改革
懸案の交通問題を一挙に解決。車がなくても移動に困らない都市に!
地球温暖化防止という人類共通の問題を克服するため、世界の都市や企業は化石燃料に依存しない脱炭素社会をめざして、100年に一度と言われるモビリティ改革に取り組んでいます。浜松市は車への依存度が高く、公共交通の整備が遅れているため、多くの懸案事項が未解決のままとなっています。LRTはこれらの問題を解決し、モビリティ改革を実現するための切り札となります。
LRTが浜松を変える!
どっぷりと浸かった車依存社会から脱却し、脱炭素社会に適応した都市基盤を整備するには、LRTの導入が必要です。以下に示した懸案事項はいずれも交通に関するもので、LRTはこれらの課題を根本から改善・解決し、車が無くても移動に困らない、持続可能な社会の実現をめざしています。
車依存社会から脱却
浜松市の公共交通は、鉄道3路線(JR東海道本線・天浜線・遠鉄線)と路線バスのみです。バスは最も身近な移動手段ですが、路線数・便数とも少ないうえ、赤字路線の減便・廃線により、車への依存度が高まるという悪循環が続いています。モビリティ改革でこの悪循環を絶ち、公共交通分担率を倍増し、さらに政令指定都市平均値並みの20%以上に引き上げる必要があります。
浜松市の主要公共交通網
集約型都市づくりへの転換
浜松市は12市町村の合併(2005年)により、伊豆半島を超える広大な市域となりました。また、モータリゼーションにより郊外へと都市が拡散していきましたが、人口減少時代を迎え、拡散から集約型都市づくりへと転換が迫られています。LRTはその切り札として沿線集約型のコンパクトシティの実現をめざしています。
浜松市と伊豆半島の比較
交通格差を是正
路線バスは浜松駅を起点に放射状に伸びており、バスターミナルには1日約2,400便が発着しています。そのため、中心部では毎時30便近くが重複運行しており、郊外ではバスゼロ地域が拡大しています。車を利用できない「交通弱者」と言われる市民は約3割を占め、地域間交通格差是正が長年の懸案事項となっています。そこで、この重複区間に輸送力・定時性の優れたLRTを導入し、余剰となるバスをフィーダーバスとして運行し、交通格差是正を図る計画です。
郊外に放射状に伸びるバス路線
LRTによる経営効率の改善
路線バスの復活再生
バス利用客は、ピーク時の7,710万人から1,660万人まで激減しており、「公共交通分担率」低下の最大要因となっています。そこで、バスよりも輸送力・定時性・快適性の優れたLRTをモビリティ改革の切り札として導入してバスの弱点(時間通りに来ない・路線と便数が少ない・運賃が高い)を補完し、危機的な路線バス事業を復活再生させ、公共交通分担率を倍増させる計画です。
鉄道とバス利用客の推移
V字型移動の改善
路線バスは浜松駅を起点とする放射状線のため、利用者が郊外間を移動するときは一旦浜松駅まで行き、別の路線に乗り換えるという「V字型移動」を強いられています。バス利用客を増やすため、郊外間をつなぐフィーダーバスを運行し、時間と運賃ロスのないバスネットワークを整備する計画です。
V字型移動のバス路線
時代遅れのバスターミナル
バス利用客は1982年のバスターミナル完成後も減り続けており、バス中心の交通政策は崩壊寸前にあります。また、バスターミナルが駅前一等地を占有し、人々の自由な往来を遮断しており、中心市街地活性化の妨げにもなっています。LRT導入に伴い、100年先を見据えた駅前広場の再開発が必要です。
浜松駅北口バスターミナル
公共交通分担率ワーストワンからの脱却
浜松市の「公共交通分担率」は政令指定都市中最下位です。最大の要因は路線バスの利用客が40年以上にわたり減り続けているのを放置してきたことにあります。LRTを都市の重要なインフラとして整備し、さらにP&R、C&Rにより公共交通の利用を促進し、最下位脱却を図る必要があります。
政令指定都市の公共交通分担率
人身事故ワーストワンからの脱却
浜松市の人口10万人当たりの人身事故件数は、14年連続で断トツのワーストワンが続いています。モビリティ改革により、過度に車に依存した都市から脱却し、ワーストワンの汚名を返上して、安全・安心な交通まちづくりが必要です。
公共交通分担率を倍増
公共交通分担率は第1回調査から30年以上にわたり下がり続け、逆に自動車の分担率は増え続けています。長い間、対策が取られてこなかった結果ですが、4.4%まで落ち込んだ分担率を倍増するのは至難の業です。1%上げるには約1,000万人を増やす必要がありますが、鉄道利用客は横這い、バスは危機的な状況にあるため、新たな交通モードとしてLRTを導入して倍増を図る計画です。
パーソントリップ調査による交通分担率