LRT路線案・需要予測

LRTの需要予測

どのくらいの利用客が見込めるかを試算。三方原本線は 1,500 万人を想定

LRT導入にあたっては、どれだけの利用客が見込めるのか、需要予測が重要です。予測にあたっては、沿線周辺住民の利用を基本に、両側各1kmの帯状地域の生産人口(15~64歳)と、老年人口(65歳以上)をもとに試算を行っています。

第一次目標は4,700万人

6路線の需要予測

SDGsがめざしている目標達成年次は2030年です。それまでに「三方原本線」を実現し、残る路線は2040年の実現をめざしています。全線実現時における第一次目標輸送人員は4,700万人を想定しています。

LRT全路線需要予測

※沿線人口は若年人口(0~14歳)を含まない。生産年齢人口は15~64歳、老年人口は65歳以上。

数値目標

需要予測は2007年第1回調査の公共交通分担率4.4%を基準に、倍増(8.8%)させることを目標に試算しています。2007年時の公共交通全体の利用者は約5,900万人でしたので、1億1,800万人を輸送する必要があります。現在、鉄道が約2,700万人を輸送していますが、過去の輸送実績から上乗せは期待できないため、LRTとバスで9,100万人(LRT4,700万人、バス4,400万人)を輸送する計画です。

脱炭素社会への対応

第一次目標を達成したとしても、政令指定都市の平均値の半分以下です。脱炭素社会に対応するため、第二次目標として20%台をめざしています。LRTは複線のため1~3分毎の運行が可能で、バスも路線数及び便数を増やすことで対応が可能です。さらに、P&RとC&Rの拡充により、マイカーと自転車から公共交通への乗り継ぎを促進する計画です。

三方原本線は1,100万人

最も整備が急がれる「三方原本線」は、年間少1,100万人、最大1,500万人の沿線住民が利用すると試算しています。これには0~14歳と、市外からの通勤・通学・観光などの交流人口は含んでいません。長期的にはLRT沿線集約型コンパクトシティ化が進むことで、需要予測を上回ると推測しています。

沿線人口と需要予測(三方原本線)

他都市との需要比較

LRT導入都市の中から5都市の輸送人員をみてみると、広島電鉄㈱が断トツに多く、長崎電気軌道㈱は路線長が三方原本線より短い割りに高い実績をあげています。他都市の事例から、三方原本線は需要予測以上の利用が期待できます。なお2020年の輸送人員はコロナ禍で急減しており、2017年、2018年が平年データと言えます。

LRT導入都市輸送人員比較

※国土交通省 鉄道統計年報より作成

赤電との利用比較

遠鉄西鹿島線(赤電)は年間1,029万人(2019年度)が利用しており、沿線の都市化により、さらに多くの需要が見込まれています。一方、「三方原本線」沿線は、赤電沿線よりもはるかに多くの企業や高校・大学等が集積しており、沿線周辺は発展の余地があり、多くの需要増が見込まれます。

遠鉄西鹿島線とのデータ比較

三方原本線沿線施設

「三方原本線」沿線周辺には市役所をはじめ、ホテルや医療機関、高校や大学・航空自衛隊・本田技研・ヤマハ・スズキ・テクノポリス等があります。またサーラ音楽ホールをはじめ、都田総合公園や四ツ池公園、エアパーク、浜北球場などの文化・スポーツ施設があります。現在、これらを訪れる大半の人々はマイカー利用のため、利便性・経済性・快適性に優れたLRTの実現により、需要予測の大幅な上積みが期待できます。

LRT三方原本線/遠鉄西鹿島線

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